失敗したくない!塗装について【ニス仕上げ編】
作品の仕上げに欠かせないニス塗装を解説。下地処理(サンディング・パテ・水引き)、水性ニス・油性ニス・水性ウレタンニスの特徴比較、ニスの上手な塗り方の手順まで紹介します。

せっかく作った作品。でも、塗装で失敗。なんてことも。
家具を自作する際の最後の仕上げとして塗装の工程があります。無塗装で木の質感をそのまま。というのもアリと言えばアリなのですが、耐久性や防汚性などを考えると塗装はしておきたいところ。 しかし、塗装は難しい。せっかく雰囲気良く作った作品でも、「塗装で失敗。台無し」なんてことはよくある話。 今回は「失敗したくない!塗装について【ニス仕上げ編】」。
まずは下地処理
どんな塗装方法を選ぶにしても、まずは下地処理をしっかりとしておきましょう。サンドペーパーで、ささくれや小傷を取っておきます。 まず120番程度で大まかにサンディングした後に240番程度のサンドペーパーで仕上げていきます。

SK11 サンディングRマジック 空研 #240(コーナンeショップ)
必要な長さだけ切って使えるロールタイプのサンドペーパー。240番、空研ぎ用。
サンドペーパーというとA4サイズ程度の長方形をイメージしますが、ロールタイプのサンドペーパーもあります。必要な長さだけ切って使えるので、便利です。下地処理の場合、空研ぎ用のペーパーを使います。下地処理で出た研磨カスはキレイに取り去りましょう。 研磨カスが残っていると、塗料を塗ったときにムラが出来ることがあります。
木目の見える塗装にする場合、罫書き線もちゃんと消しておきましょう。サンドペーパーで削り落とすか、鉛筆やシャープペンシルでの罫書きの場合は、消しゴムで消します。経験上、消しゴムで消すのが確実です(サンドペーパーではなかなか消えない)。
ペイント塗装(木目が見えなくなるような塗装)の場合、深い傷やひび割れはパテで埋めます。木目の見えるような塗装の場合、パテ埋めするとパテの部分に塗料が浸透せずに目立つことがある(塗装OKのパテもありますが)ので注意しましょう。

コニシ ボンド ウッドパテS(コーナンeショップ)
室内木部の割れ・節穴・あてキズを埋める水性パテ。乾燥後は釘やビスも打てます。
より良い下地処理を求める
加工時に材料を置いたり、ぶつけたりと、気づかないけど木材には結構へこみがあったりします。凸部分は削れば良いですが、凹部分は削っても戻すことが出来ません。より良い下地処理を求めるなら水引きという作業を行います。木材は水分を含むと膨らむ特性があります。この特性を利用して凹んだ部分を復元させます。復元させた後に再びサンドペーパーなどで研磨することで平らな面を作ります。
水引きの方法は簡単で、霧吹きなどで表面をまんべんなく濡らしていくか、水を十分に含ませたウェス(ぞうきん、ぼろ布、タオルなど)かスポンジで表面に水分を含ませます。その後は、日陰で十分に乾燥させてから下地研磨を行います。
水引きを行わずに塗装をして、乾燥させたら表面がざらざらデコボコ(塗料も水分なので、へこみが膨らんできてしまう)ということもあります。
塗装の種類を選ぶ
下地処理が済んだら、いよいよ塗装。いろいろな塗料がありますので、目的、イメージに合わせて、塗料、塗装方法を選びましょう。
水性ニスで仕上げる
| 屋内 | 屋外 | 耐久性 | 防水性 | 価格 | 扱いやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| ○ | × | △ | × | ○ | 易しい |
水性ニスは屋内専用で耐久性を問わない作品の艶出しや汚れ防止に向いています。床やダイニングテーブル、実用的な家具などには不向きです。また、野外の作品にも向いていません。 水性なのでハケが水洗いでき、また、塗料自体を水で薄めることができるので手軽に扱えます。臭いが少ないのも良いところ。注意するのは塗装後でも傷がつきやすく、耐久性が多少劣る点です。

和信ペイント 水性ニス 130ml 透明クリヤー(コーナンeショップ)
屋内木工作品に最適な水性ニス。速乾で扱いやすく、乾くと透明になりツヤのある仕上がりに。
クリヤー色の水性ニスは乳白色をしていますが、乾燥すると透明になります。どの色もツヤのある仕上がりになります。 ニスの仕上げで失敗しやすいのは、粘度が高すぎて刷毛の跡が残ってしまうことや気泡が出来ること。これを無理矢理消そうと思ってもどつぼにはまります。水で薄めて、薄く塗るのが成功の秘訣です。2~3回塗り重ねましょう。
油性ニス(油性ウレタンニス)で仕上げる
| 屋内 | 屋外 | 耐久性 | 防水性 | 価格 | 扱いやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 難しい |
油性ニスは屋内外兼用で丈夫な塗膜を作ることで耐久性、防水性、防腐性を備える塗料になります。 良いことずくめのように思いますが、油性なので、刷毛の洗浄にはペイント薄め液が必要であったり、薄めるのにもペイント薄め液が必要で、手軽とは言えません。耐久性、防水性の必要性などを考えて選択しましょう。

和信ペイント 油性ニス 120ml 透明クリヤー(コーナンeショップ)
屋内外兼用の油性ニス。丈夫な塗膜で耐久性・防水性・防腐性を備えます。木質感を生かした高級仕上げに。
水性ニス同様、ペイント薄め液で薄くして、粘度を下げてから塗りましょう。そのまま塗れると書いてあっても、粘度が高いと塗料が伸びないので塗りにくいです。着色済みのニスとクリヤー、つや消しクリヤーとあります。着色して、つや消しの効果を得たい場合は、着色済みのニスの上につや消しクリヤーを塗ります。クリヤーといっても若干飴色がかった色合いになります。
油性ニスの何が面倒かというと後処理。使用した刷毛はペイント薄め液で洗浄しないといけません。刷毛の洗い方はペイント薄め液で洗った後に、中性洗剤を使って、お湯の中でぬめりが無くなるまで洗浄します。ペイント薄め液はそのまま下水に流すことは出来ません。塗料固化剤というものが売っているので、固めてから可燃ゴミで捨てます。

アサヒペン 水性油性兼用固化剤 35g(コーナンeショップ)
余った塗料に混ぜるだけで固化でき、可燃ゴミとして処分できます。
水性ウレタンニスで仕上げる
| 屋内 | 屋外 | 耐久性 | 防水性 | 価格 | 扱いやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| ○ | × | ○ | △ | △ | 易しい |
水性の扱いやすさと油性ニスの機能を合わせた、いいとこ取りのニスになります。若干、お値段高めなのが玉にきず。本商品は屋内木部用なので屋外では使用できませんが、丈夫な塗膜を作ることで高い耐久性があります。完全に乾けば、水拭きなども出来ます。 和信ペイントの水性ウレタンニスは食品衛生法に適合していますので、食卓周りの塗装にも利用出来ます。

和信ペイント 水性ウレタンニス 130ml 透明クリヤー(コーナンeショップ)
水性の扱いやすさと高い耐久性を両立。食品衛生法適合で食卓周りの塗装にも使えます。
着色済みのニスとクリヤー、つや消しクリヤーとあります。クリヤー色の水性ウレタンニスは乳白色をしていますが、乾燥すると透明になります。つや消しクリヤー以外はツヤのある仕上がりになります。着色して、つや消しの効果を得たい場合は、着色済みのニスの上につや消しクリヤーを塗ります。 つや消しクリヤー仕上げは、テカテカしない木材の持つ自然な風合いになるのでオススメです。
ニスの上手な塗り方
1.塗る前の準備。
下地処理をしておきます。塗りたくない部分にはマスキングテープでマスキングします。
2.道具を用意する。
ニスを使用する前に、容器をよく振って攪拌しましょう。ニスを使用分だけ別の容器に移したら、水、またはペイント薄め液で薄めます。少しずつ様子を見ながら薄めていきましょう。さらさらになるくらいが良いです。 刷毛を使って塗装する場合は、抜け毛が大敵。買ったばかりの刷毛(特に価格の安いモノ)は毛が抜けやすいので、刷毛を振ったり、くしを使って梳(と)かすなどして抜け毛が取り除きます。
3.刷毛を使って塗る。
木目に沿って、薄くまんべんなく塗っていきましょう。薄くがポイントです。また、クリヤー色だと、塗り残しにも注意。光り具合などを見ながら塗り残しが無いように塗ります。
4.十分に乾燥させる。
製品に書かれている乾燥時間を守って、直射日光があたらない場所で乾燥させます。乾燥時には周辺でホコリが立たないように気を付けましょう。乾燥時間が経過して、触ってもべとつかなくなればOK。
5.サンドペーパーを掛ける。
320~400番程度のサンドペーパーで表面を研磨します。白い粉が出てくるので、キレイに拭き取りましょう。
6.3~4を繰り返す。
ニス仕上げでは重ね塗りが基本。最低2回の重ね塗りをしましょう。着色ニスの場合、塗り重ねる毎に色が濃くなっていきます。好みの色になるまで、繰り返しましょう。
仕上がり具合もしっかりシミュレーション!
DIYの設計で忘れがちなのが、仕上げに使う塗料の見積もり。塗りはじめてから「塗料が足りない」と慌てないためにも、必要な量は事前に把握しておきたいですね。
そんな時におすすめしたいシミュレーションにうってつけのアプリ『caDIY3D(キャディースリーディー)』はご存じでしょうか?

caDIY3D(キャディースリーディー)は、誰でもカンタンに設計図が描けるDIY・リノベ専用のWindowsアプリです。塗料を登録しておけば、塗装する面積から必要な塗料の量を見積もることもできます。
3Dの木材や資材を、まるで積み木のようにマウスで直感的に組み上げて、オリジナルの家具デザインやレイアウト・シミュレーションを楽しめます。実際のDIY制作にはかかせない、木材の切り分け方や細かなサイズ・寸法チェック、予算の計算なども徹底ガイド。「手描きの設計図なんて無理!」とあきらめていたあなたのDIYライフを変える、まさにDIY・リノベ好きのためのお役立ちツールです。

どんな塗装も重ね塗りが基本【まとめ】
どんな塗装方法でも(一部の塗装方法を除く)基本は重ね塗り。作品の組み立てが終わって、早く使いたい気持ちはわかりますが、ここはグッとこらえて重ね塗りを行いましょう。焦りは禁物です。きっとスバらしい作品に仕上げることが出来ると思います。 今回はニス仕上げについて紹介しましたが、まだまだ続きます。





